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■ 中小企業の事業承継 雑感 ■

2016/10/15

 事業承継とは、現在の経営者から後継者への実質的な経営権の委譲を
意味します。

 上場会社においては、現経営者一族が株式の過半数を保有している場合は
稀になりますが、中小企業においては、現経営者一族において株式の過半
数を保有している場合が通常です。そのため、中小企業においてはオーナー
一族が自ら事業承継のアクションを起こさない限り、誰もやってはくれないし、
時間が解決してくれるものでもありません。
 また上場会社の場合、代表取締役や取締役の待遇が厚く、人材も豊富で
かつ上を目指す人材もいます。一方中小企業においては、そのような厚遇を
もってすることはかなわず、人材も限定されます。
 しかしながら、数は少なくとも従業員そしてその家族、関係先等との
相互の関係は、上場会社と何ら変わらず、時の経営者は重い責任を負って
いるのです。
 会社が継続している、役員や従業員その家族が一定の生活をできる分配を
し続けている、さらにいくらかの利益をあげている、ということは、なにがしか
の信頼や強みをもっていて、現在の商売の中でお客様に選んでもらっている
ということです。
 この強みが、現経営者個人に相当依存した状態、現経営者の発想、行動、人的
魅力やネットワーク、組織を束ねる力、さらに個人財産等の資金面の援助など
様々なものに依存したものである場合、優秀な家族の後継者がいたとしても、
事業承継は簡単なものではないでしょう。
 現経営者個人の資質に相当依存していると認められる場合、それに近づける
後継者を育て、一方で組織的な仕組みづくりをし、属人的ではない経営スタイル
を作っていかねばなりません。場合によっては事業領域を変えていくことも必要
になるかもしれません。何よりも、後継者候補にとって、経済的にそして人生に
おける仕事として、会社を魅力あるものにすることが重要です。
 後継者が決まった場合においては、現経営者と後継者が、相互に誠意をもって、
会社の現在将来について話し合い改善活動をしていくなかで、従業員や関係先の
信頼を損なわないように、相互によい意味での我慢をしていくことが重要です。

 0から作っていくことは大変なことです。また、それを承継していくことも
現在の日本の中小企業が置かれている環境の中では、簡単なことではありません。
現経営者そして後継者それぞれ、目指すところは同じ、会社で働く皆とその家族、
関係者の幸せです。

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